毛嚢炎の治し方や気になる予防法について詳しく解説します。
医療レーザー脱毛を受けたあとなどにできることがある、ニキビのようなデキモノ。
これは、「毛嚢炎(毛のう炎・毛包炎)」と呼ばれる炎症です。
痛み・かゆみは軽く、放置しても自然治癒することがほとんどですが、色素沈着を引き起こしたり、悪化すると強い痛みや体調不良を伴ったりすることも。
そこで今回は、毛嚢炎の特徴・症状、できる原因、治し方や予防法をご紹介します。
※掲載しているクリニックはミツケル編集部独自調査の元でランキング付けしています。掲載しているクリニックについては、医師監修の対象外となります。
目次
毛嚢炎とは?
そもそも、毛嚢炎ってどんな特徴や症状があるのでしょうか。
ニキビとの違いや、悪化した状態「せつ」「よう」も併せて解説します。
毛嚢炎の特徴と症状
毛嚢炎は、毛穴のある位置にできる、ニキビのように膿をもった発疹(膿疱)や赤いぶつぶつです。
軽い痛みやかゆみを伴います。
毛嚢炎は、毛穴があるところならどこにでもできます。ポツンとひとつだけできることもあれば、同時に複数個ができることもあります。
特に、顔・おしり・VIO・太ももなど、皮脂の多い部位や蒸れやすい部位、衣類などで擦れやすい部位はできやすいです。
毛嚢炎とニキビとの違い
毛嚢炎とニキビは、別物です。
細菌感染症で症状も似ていますが、原因菌が異なります。
種類 | 原因菌 |
---|---|
毛嚢炎 | 黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌など |
ニキビ | アクネ菌 |
悪化した状態の「せつ」「よう」とは?
毛嚢炎が悪化し、膿を持った発疹が硬いしこりになったものを「せつ」と呼びます。
一般的に「おでき」と呼ばれるもので、顔の中心部にできると「めんちょう」と呼ばれます。
せつは強い痛みや赤み、熱感といった症状が現れます。
また、毛嚢炎がさらに悪化し、複数の毛包に広がりくっついたものは「よう」と呼ばれます。
強い痛みを感じるほか、感染が他の組織やリンパ節に広がり、発熱などの体調不良を伴うこともあります。
毛嚢炎ができる原因
毛嚢炎ができる原因はいくつかあります。
主な原因と、そのほかの原因を解説します。
主な原因はお肌の常在菌
毛嚢炎は、 掻き傷やカミソリ負けなどの小さな傷から毛穴に細菌が入り込むことで発症します。
主な原因菌は、皮ふの常在菌である黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌です。
これらは、健康な肌に日常的にいる常在菌です。保湿機能やバリア機能を支える役割を担っています。
しかし、レーザー脱毛など外部からの刺激、汗・皮脂の増加などでバリア機能が低下すると、毛穴で繁殖し、炎症を引き起こす原因となってしまうんです。
プールやステロイド外用薬も?その他の原因
毛嚢炎を引き起こす原因は、他にもあります。
同じ常在菌のマラセチアが繁殖するとマラセチア毛包炎を、温浴施設やプールなどで緑膿菌に感染すると温浴毛包炎を発症します。
ステロイド外用薬も、毛嚢炎の原因となることがあります。免疫を抑制する作用があるためです。
毛嚢炎の治し方
毛嚢炎が治らない……。もしかしたら、間違った処置をしているのかもしれません。
早く治すためにも、正しい治し方を知っておきましょう。
皮ふを清潔に!悪化したら病院へ
毛嚢炎は、皮膚を清潔に保っていれば1週間ほどで自然治癒します。病院の治療は必要ないことがほとんどです。
赤みや痛みが強くなるなど症状が悪化した場合は、皮膚科や、脱毛を受けたクリニックを受診しましょう。
原因菌にあった抗菌薬の処方、症状によっては切開して膿を出すことが必要です。
潰して膿を出すのはOK?
毛嚢炎を潰して膿を出すのはNGです。
他の毛穴へ症状がうつる可能性があります。膿を押し出すときの肌への刺激も良くありません。
男性の場合、ヒゲが生える部分に毛嚢炎ができていたら、潰れることや刺激を避けるためにヒゲ剃りは控えましょう。
オロナインなどの市販薬で治る?
市販薬を使う場合は、抗菌成分が配合されたものを選びます。
使用上の注意は必ず確認しましょう。たとえばオロナインは、湿疹に使ってはいけないと書かれています。
毛嚢炎は、皮膚を清潔にしていれば1週間程度でよくなります。症状が長く続く・ひどい場合は、皮膚科や脱毛を受けたクリニックの受診がおすすめです。
毛嚢炎ができないための予防法
毛嚢炎の予防は難しくありません。
日常生活のなかできる予防法を3つご紹介します。
肌を清潔にする
毛穴に細菌が入らないよう肌を清潔に保つことが、毛嚢炎の予防にとても大切です。
汗をかいたら、清潔なタオルでこまめにふき取る、着替える、シャワーを浴びる。
衣類や寝具、ムダ毛の自己処理に使う道具など、肌に触れるものも清潔に保ちます。
下着は通気性がよく蒸れにくいものを選び、細菌の繁殖を防ぎましょう。
ムダ毛の自己処理を注意して行う
毛を抜いたり剃ったりすると、肌はダメージを負い、毛穴から細菌が入りやすくなるので注意しましょう。
自己処理をする際は、まず肌を清潔にします。
道具は電気シェーバーを使用しましょう。毛抜きやカミソリなどと比べて、肌への負担が小さいためです。毛は流れに沿って剃ります。
自己処理をしたあとは、肌が乾燥しやすく、ダメージを負いやすい状態です。キレイに洗ったあとは、保湿ケアを忘れずに行いましょう。
肌のバリア機能を高める
毛嚢炎の予防には、肌のバリア機能を高めることも大切です。
十分な睡眠、栄養をバランスよくとるなど生活習慣を整えるほか、こまめな保湿ケアでバリア機能を高めましょう。
脱毛直後は肌が弱っている状態です。菌も感染しやすくなる状況を作らないことが大事です。
汗をかいたらこまめにふき取り、肌を常に清潔に保ちましょう。
毛嚢炎に関するQ&A
毛嚢炎は潰してもいいの?
潰さないようにしましょう。症状が悪化することがあります。
毛嚢炎をほっとくとどうなる?
症状が軽い場合、肌を清潔に保っていれば1週間程度で自然治癒します。
毛嚢炎があっても脱毛はできる?
可能なクリニック・サロンが多いです。炎症は避けて施術されます。
まとめ
毛嚢炎は、傷ついた肌から毛穴へ細菌が入り込むことが原因でできる炎症です。
皮ふを清潔に保つことで早く治り、予防もできます。
症状が1週間以上続いたり、悪化したりするようであれば、皮膚科を受診しましょう。